要点(30秒で):
– 「無料で日本語の議事録を作る」だけなら、Notta(月120分)/LINE WORKS AiNote(月300分)/tl;dv(録画無制限・基本機能) の3枚をまず押さえれば足ります。
– Otter.aiは日本語に未対応、CLOVA Noteβは2025年7月で終了しLINE WORKS AiNoteへ統合済み。古い記事の情報に注意。
– 無料枠は「録音時間/保存件数/AI要約の有無」のどれかで必ず絞られています。比較表で先に見るのが速いです。
– 業務利用では録音同意とNDAが最大の落とし穴。ツール選びより先に運用ルールを決めるのが安全策です。


結論:まず3つの「無料で十分」ラインを使い分ければいい

検索キーワード「AI 議事録 無料 作成 文字起こし」で多くの人が知りたいのは、結局のところ「お金をかけずに、会議の議事録を半自動で作りたい」という一点です。先に結論をまとめると、2026年6月時点では次の3パターンに集約できます。

  • Web会議(Zoom/Google Meet/Teams)を月に数本だけ録る人 → Notta の無料プラン
  • 対面の打ち合わせ・取材を長時間録る人 → LINE WORKS AiNote の無料プラン
  • 回数は多いが1本ずつは短い人、録画ごと残したい人 → tl;dv の無料プラン

どれも日本語の文字起こしに対応し、クレジットカード登録なしで使い始められます。以降では「何分まで/要約は付くか/どこで詰まるか」を、公式情報をもとに整理していきます。


そもそもAI議事録ツールは何をしてくれるのか

AI議事録ツールがやっていることは、おおまかに3段階に分かれます。

  1. 録音/録画:マイク入力やWeb会議の音声をキャプチャ
  2. 文字起こし(ASR):音声認識で発話をテキスト化、可能なら話者を識別
  3. 要約・タスク抽出:大規模言語モデル(LLM)で議題・決定事項・宿題を整形

「文字起こしまで」と「要約まで」では必要な機能が大きく違います。無料プランの多くは①②までは寛容ですが、③のAI要約は有料に振っているのが2026年の相場感です。ここを誤解したまま選ぶと、「文字起こしは出るのに議事録が組み立たない」というよくある不満につながります。

なお、要約のクオリティはツールに搭載されたLLM側にも依存します。汎用の生成AIをどう使い分けるかは ChatGPT・Claude・Gemini比較|違いと使い分け2026年版 にまとめています。文字起こしを外に出して、要約だけ別のAIで磨く運用にもヒントになるはずです。


無料で使える主要ツールを横並びで比較

まずは無料プランの「使える量」だけを表にします。公式の最新情報を基準に整理しました(2026年6月時点)。

ツール 無料枠の上限 1回あたり制限 AI要約 日本語 クレカ登録
Notta 月120分 1回3分 あり(範囲限定) ◎ 不要
LINE WORKS AiNote フリープラン 月300分 — なし ◎ 申込制
tl;dv 無料 録画件数は無制限相当(基本機能) — あり(簡易) ○ 不要
Fireflies.ai Free 月800分・保存3本まで — あり(簡易) △(英語より精度低) 不要
Otter.ai Basic 月300分 1会議30分 あり 未対応 不要
Google Pixel レコーダー 端末利用は無制限 — なし(書き出して別AIへ) ◎ 不要

「とにかく長く録りたい」のか「Web会議に常駐させたい」のか、自分の使い方に近い行を選ぶのが第一歩です。

月額を払うとどう変わるのか(参考)

無料の延長線で有料を検討するときの相場も載せておきます。為替や年払い/月払いで実額は変わるので、必ず公式ページの最新表を確認してください。

ツール 個人向け有料プラン(参考額) 主な解放ポイント
Notta Premium 年払いで約 ¥1,185/月 月1,800分・1回90分・AI要約強化
LINE WORKS AiNote ソロ 月額 ¥1,440〜 AI要約・Web会議録音
tl;dv Pro 月額相当の有料プラン 高度な要約・連携、CRM連携など
Fireflies Pro 約 $10/月(年払い) 無制限文字起こし・連携拡張
Rimo Voice 文字起こしプラン 月額 ¥1,500〜(年払い) 高精度日本語特化・話者分離

「手作業の議事録1本に30分かかる」人なら、月20本で10時間。時給換算で月額数千円のプランは普通にペイします。判断材料として覚えておくと迷いません。


ツール別の向き不向き

数字だけでは伝わりにくい肌触りを、用途軸でまとめます。

Notta — 「Web会議が中心」の人の標準解

ZoomやTeamsにBot参加させて、自動で文字起こしと要約を作る使い方が一番素直です。無料プランは月120分・1回3分という制限が厳しめなので、短い定例の議事録テストに向きます。本格利用は有料前提と割り切ったほうが楽です。日本語の認識精度はおおむね高く、企業導入事例も多い鉄板枠といえます。

LINE WORKS AiNote — 旧CLOVA Noteの正式後継

LINEヤフー系列のCLOVA Noteβは2025年7月31日でサービス終了し、LINE WORKS傘下のAiNoteへ統合されました。フリープランは月300分と無料勢では太め。ただし、AI要約・Web会議録音は有料プラン側にあり、無料で使うと「長く録れる議事録のドラフト機」という位置づけになります。生の文字起こしをChatGPTやGeminiに貼って要約する運用と相性が良いです。

tl;dv — 「録画を残す文化」のチーム向け

Google Meet/Zoom/Teamsを録画してタイムスタンプ付きで残し、ハイライトをチームで共有する用途に強いツールです。無料でも日本語の自動文字起こしが付き、クレカ登録なし。スタートアップが最初に入れる0円ツールとして人気があります。

Fireflies.ai — 海外SaaSとの連携重視ならアリ

月800分という無料枠は世界トップクラス。ただし過去会議の保存は3本までで、検索アーカイブとして残したい人にはやや窮屈です。日本語認識は英語より一段落ちると公式情報・複数レビューが認めています。Slack/Notion/HubSpotなど海外SaaSのワークフローに組み込みたい人向け。

Rimo Voice — 日本語精度を取りに行くなら

日本企業が開発する日本語特化型。記者会見やインタビューなど、専門用語が多い長尺音声で評価が高いツールです。無料プランは現時点で1週間のトライアル中心で、恒久無料ではありません。「精度をお金で買う」と割り切れる人の候補になります。

Otter.ai — 英語会議だけにする

世界的に有名ですが、Otterは日本語に未対応です。社内に英語ネイティブの会議があるなど、用途を限定できる場合のみ選びましょう。汎用の議事録ツールとして日本語環境で使うと失敗します。

Pixelレコーダー(Google) — スマホだけで完結する0円コース

Pixel本体に標準搭載されたボイスレコーダーで、ローカル+クラウド処理で日本語のリアルタイム文字起こしができます。話者ラベル付与や検索、Googleドキュメント書き出しに対応。端末を持っているなら追加コストゼロで運用でき、書き出したテキストをGeminiやChatGPTで要約する流れが手堅いです。

PLAUD Note(ハード型)— 録音機を別に持ちたい派

スマホにMagSafeで貼るカード型、衣服に付けるピン型(NotePin)、最新Pro機など、専用デバイス+クラウド要約の組み合わせ。デバイス購入後のスタータープランは月300分まで無料で、有料の上位プランで上限が伸びます。「会議室で堂々と録りたい」「対面でPCを開きたくない」シーンで合います。


失敗しない選び方:5つのチェックポイント

検索意図に正面から答える形で、選定基準を整理します。

  1. 会議の主戦場はWebか対面か — Webメインなら自動参加できるNotta/tl;dv系、対面メインならAiNote/Pixel/PLAUDが候補。
  2. 1本の長さと月の本数 — 「30分×月20本」と「2時間×月3本」では無料枠の選び方が真逆。表の上限を必ず時間×本数に置き換えて確認する。
  3. 要約まで自動化したいか/文字起こしだけでよいか — 無料で要約まで欲しいならNotta/tl;dv/Fireflies。文字起こしだけ無料、要約は別AIで足す運用ならAiNote/Pixelが伸びる。
  4. 保存件数と検索性 — 無料プランで「保存できる議事録の本数」が絞られている製品(Fireflies等)があるので注意。アーカイブして検索したい人は要確認。
  5. セキュリティと同意 — 後述。ここを軽視すると、ツールの良し悪し以前にプロジェクトが止まります。

セキュリティと録音同意:技術より先に決めるべきこと

弁護士や情報セキュリティの専門家がそろって指摘しているのは、ツール選び以前の運用ルールです。

  • クラウドに音声が出る前提を理解する。多くのAI議事録ツールは音声をクラウド送信して認識します。社外秘の議題や個人情報を扱うなら、通信・保管の暗号化/データ削除ポリシー/学習利用の有無を必ず確認します。
  • NDA下の会議は原則ツールに通さない。秘密保持契約で「秘密情報」と定義されている内容を生成AIが扱うことが、契約違反に当たり得ます。該当する会議は人手で記録するか、契約条項を見直すのが安全です。
  • 冒頭で必ず一言断る。「議事録作成のためAIで録音・文字起こしします。差し支えあればお知らせください」と告げるのがマナーであり、トラブル予防策です。社内ルール化しておくと、現場が迷いません。
  • 誰のアカウントで保存するかを決める。個人アカウントに会議録音が貯まっていく状態は、退職時のリスク源になります。チーム/法人プランへの移行タイミングを運用で決めておきましょう。

「無料で始めて、業務利用は有料の法人プランに切り替える」が、最も事故が少ない王道です。


0円で組む「議事録自動化」の現実的ワークフロー

ツール単体で完結させず、役割分担でつなぐと無料でも実用域に届きます。

  1. 録音/文字起こし:Pixelレコーダー or LINE WORKS AiNote(フリープラン)
  2. クレンジング:明らかな誤変換だけ手で修正、固有名詞をテンプレ置換
  3. 要約整形:ChatGPTやGemini、Claudeに「この発話ログから、議題/決定事項/宿題/担当者を抜き出し、社内向け議事録に整えて」とプロンプト
  4. 共有:Googleドキュメント/Notion/Slackに貼って、関係者に共有

無料の生成AIで要約まで詰めたいときは、ChatGPT・Claude・Geminiの無料枠の差を理解しておくと選びやすくなります。ChatGPT無料と有料の違い完全比較|2026年料金プラン全解説 も併せて目を通しておくと、無料運用の上限が見えてきます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 完全に無料で「文字起こし+要約」まで作れる組み合わせは?

文字起こしをLINE WORKS AiNote(フリープラン・月300分)で取り、テキストをChatGPT/Geminiの無料枠に貼って要約する流れが最もコスパが良いです。Notta/tl;dv/Firefliesの無料枠でも要約は出ますが、無料では機能が絞られている点に注意してください。

Q2. 日本語の認識精度はどのツールが一番ですか?

「最強」を断言できる第三者ベンチマークは存在しません。一般的には、日本語に特化したRimo VoiceやLINE WORKS AiNote、国産のNottaが堅いと評価されます。海外発のFirefliesやOtterは英語が前提で、日本語では一段落ちると公式・各種レビューが指摘しています。実際の会議音声で無料トライアルを使い比べるのが結論への最短ルートです。

Q3. ZoomやTeamsの録音をAIに自動で参加させても問題ありませんか?

参加者全員の事前同意があれば、ツール側の機能としては問題ありません。実務では、(1)会議招待文に「AI議事録ツールが参加します」と明記、(2)冒頭で口頭で一言、(3)社外との会議ではNDAの範囲を再確認、の3点をセットにすると安全です。

Q4. CLOVA Note(無料)が使えなくなったと聞きました。代わりは何ですか?

その通りで、CLOVA Noteβは2025年7月31日にサービス終了し、LINE WORKS AiNoteに移行しました。AiNoteには個人事業主・フリーランス向けのフリープラン(月300分)があるため、CLOVA Noteユーザーの自然な乗り換え先になります。

Q5. AIに録音内容を「学習」されてしまうのが心配です。

各社の利用規約とプライバシーポリシーで、入力データの学習利用の有無を必ず確認してください。多くのビジネス向けプランでは学習に使わない設定が標準ですが、無料プランでは扱いが異なる場合があります。NDA案件や顧客情報を含む会議では、法人プランや専用契約を選ぶ判断が必要です。


まとめ:迷ったらこの順番で試す

  • 今日から0円で動かしたい → tl;dv(録画+自動文字起こし)
  • 対面の長時間会議を取りたい → LINE WORKS AiNote のフリープラン
  • Web会議を要約まで自動化したい → Notta の無料プラン → 物足りなければ Premium に移行
  • スマホ完結で十分 → Pixelレコーダー+ChatGPT/Geminiで要約

AI議事録は、「無料枠の限界」より先に「録音同意とNDAの運用」で詰まる領域です。ツール選びは合計15分で終わらせ、残りは社内ルールの整備に時間を使ったほうが、結果として議事録作成は速く・安全になります。

🐦‍⬛ 編集部の視点

2026年の現場感では、AI議事録は「導入するかどうか」ではなく「どこまで人が触らずに済むか」のフェーズに入っている。一方で、安価なツールほど音声データの取り扱いがブラックボックス化しやすく、便利さと引き換えに事故リスクが乗る構造は変わらない。無料の延長線で運用するなら、「学習に使わない設定」「保存期間」「同意の取り方」を最初に書類化しておくことが、結局いちばん安いコストになる。

出典・リンク

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